ドイツの脱車社会への取り組み 

 地球温暖化を促すCO2の排出削減や、自動車が運転できなくなるお年寄りが増えることを背景に、車がなくても暮らせる街づくりが課題となっており、ドイツがいち早く「脱車社会」に動きました。
 自動車大国ドイツは、排ガスや騒音による都市公害が激しくなった1970年代から「脱車社会」への議論がスタート。急速に進んだ社会の高齢化に対応するためにも「脱車」は急務でした。

 基本は自動車優先をやめ、徒歩や自転車に公共交通機関を組み合わせた交通網をつくること。街中心への一般車の乗り入れを禁じ、バスや路面電車を主に。公共交通機関への乗り換えがしやすいよう歩道や自転車道を整備し、規則も歩行者や自転車優先に変えました。

 中でもドイツ西部ミュンスター市は、いち早く自転車を活用しました。中心市街地を囲んで自転車専用の環状道を整備。電車・バスとの連結点となる中央駅の正面には3千台収容の駐輪場を設けました。自動車が通る道にも自転車レーンを明示し、信号も自転車を先に通す仕組みです。

 車社会では自動車が増えるにしたがってバスや電車は衰退します。ですが、あえて自動車を不便にして徒歩や自転車を活用し、公共交通機関の利用者を確保するのが狙いです。同市の移動手段調査では、82年に全体の29.2%だった自転車の利用率は2007年に37.6%に上昇。この間、電車・バスの利用率も 6.6%から10.4%に増えたそう。

 南部フライブルク市では、既に460キロの自転車道を設置。15年までに時速30キロ程度で走れる高速レーンを三路線整備し、ラッシュ時の移動時間を車の半分にします。

 ベルリン市も自動車の車線や駐車場を自転車用に転用するなどして、自転車による移動率を25年までに現在の15%から20%にする計画です。市交通局では「交通手段としては車より自転車を軸とした方が市の財政負担は軽くなる」と言います。

 市内交通だけではありません。西部ルール地方ではデュイスブルク?ハム間約85キロを結ぶ「自転車高速道」の計画も浮上しています。(東京新聞)


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このページは、green plusが2012年8月27日 22:03に書いたブログ記事です。

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