
【写真:グリーンランドの氷の衛星写真。白い部分は解けていない氷(左=7月8日)。ピンクは解けた場所(右=7月12日) NASA提供】
3機の人工衛星から得られた観測データをNASAと大学研究者らが分析したところ、7月中旬のある時点で氷床表面の97%が解けたとみられることが分かったといいます。「南部は標高の高い内陸まで広くとけている」と研究員の説明。同じ期間を調査した2002年以降では、とけていた領域が大きかった02年と07年に迫る広さだといいます。
NASA関係者によれば、インド宇宙研究機関の人工衛星「Oceansat-2」の観測データを分析中に、7月12日にグリーンランドで大規模な氷床表面の融解が起きたらしいことを発見し、ほかの衛星からのデータもこれと合致するものでした。NASAが発表した融解域を示す地図によれば、7月8日には氷床表面の40%が融解し、4日後の12日には97%に急拡大しました。
NASAによればグリーンランドの氷床は例年、夏になると平均して表面の約半分が自然融解します。解けた水は通常、高所ではすぐに再凍結しますが、沿岸地域では一部を除き海へ流れ出ます。NASAは「今年は表面付近の解氷範囲が劇的に拡大した」と述べています。
この大規模融解はグリーンランド上空を暖かい空気を含む強い高気圧が覆ったのと同時に起きました。今回の融解が海面上昇の要因となるかどうかはまだ分からないといいます。
このような解氷現象は150年に1度は起きてもおかしくないことだとする科学者もいます。最後に起こったのは1889年で、今回の現象もこの周期に沿ったものですが、今回のような大規模な融解の頻度が増えれば、海面上昇に拍車がかかる可能性があるとの指摘もあるとの指摘もあります。
(AFPBB News) (朝日新聞) (MSN産経ニュース)
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