モルディブはインド洋上の1192の島で構成され、海抜は平均1.5メートルと極めて低く、世界で最も高度の低い国であり、気象変動で海面が上昇するにつれて最も被害を受けやすい国の一つです。
2009年、当時のナシード大統領は、同国を世界で初めての「カーボン・ニュートラル」な国にする計画を策定し、2020年までにCO2排出量をゼロにする方針を打ち出しました。同大統領の下で、この計画の資金調達のため、観光客に3ドル(約240円)の税金を課す構想が浮上しました。ですが同大統領は今年2月、クーデターによって辞任を余儀なくされました。
当時副大統領で、後継者として就任したハッサン現大統領は、モルディブは自主的な課税のほうが良いと考えていると述べました。
ハッサン大統領は今週、ロイター通信に対し、「われわれはモルディブに空からやって来る観光客向けの自主的な基金構想を提案した。おのおのの観光客が10ドル拠出しただけでも、われわれにとっては年間1000万ドルの税収になり、カーボン・ニュートラル計画に多大な貢献になる」と語りました。
ハッサン大統領は、昨年合意された空港建設事業を受けて、観光客1人当たり27ドル徴収しなければならず、観光業界にさらに負担になることをしたくないと語りました。観光業界は公式統計ではモルディブの国内総生産(GDP)21億ドルの30%を占めていますが、実際には75-80%に近いと考えられています。
同大統領は「モルディブに来る観光客の大半は環境意識が高く、彼らもモルディブのカーボン・ニュートラル化に向けて一役買うことに満足すると信じる」と語りました。
モルディブは発電のためディーゼルのような輸入燃料に依存しており、昨年のコストは推定約2億4000万ドルに達しました。同国は、20年までに電力の60%を再生可能エネルギーで発電する総額11億ドルの計画に乗り出しています。同大統領は、60%のうち約50%が太陽光発電、残り10%が風力やバイオ
燃料から発電されるだろうと述べました。
(時事通信社)
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