サウジアラビア、大規模な再生可能エネルギー計画を発表

 保守的な大産油国サウジアラビアが、世界最大級の再生可能エネルギー計画を発表しました。現在、同国に再生可能エネルギー発電設備はありませんが、今後20年間で5400万キロワットの設備を導入するといいます。

 原油価格が1バレル100ドルを超えている中(原文公開当時)、化石燃料の使用を減らすことによる回避コスト(事前に手を打ったことで回避できる出費)は既に太陽光発電のコストを上回っています。

 サウジアラビアのコンサルタントたちはこの回避コストは機会費用(ある選択肢を選ばずに別の選択肢を選んでいたら得られていたはずの利益。例えば火力発電の燃料にした石油を輸出に回していたならば得られていたはずの利益)と呼び、再生可能エネルギーに前向きな姿勢を示しているそう。
 
 5月上旬、同国で開かれた会議で同国「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市機構」プロジェクトの調達計画が発表されました。同機構の委員会はこの計画を近く正式に承認するとみられています。

 計画は国内の再生可能エネルギー産業を育成し、サウジアラビアの電力需要の4分の1を太陽光発電だけで賄うことを目標にしているとのこと。

 再生可能エネルギー関連の報道は太陽光発電の設備容量に目を奪われがちですが、それを上回る集光型太陽熱発電が計画されています。当初計画の目標は

・集光型太陽熱発電: 2500万キロワット
・太陽光発電: 1600万キロワット
・風力発電: 900万キロワット

となっています。

 最近、再生可能エネルギーのオークションを選択した他の国とは異なり、サウジアラビア政府はプロジェクト実施に向け、管理が比較的簡単で済む固定価格買い取り制度(フィード・イン・タリフ(FIT))を採用する方針です。2015年にも導入するとのこと。

 計画中の設備容量5400万キロワットの90%近くは、数種類の発電方式を対象にしたFITを通して割り当てられる予定です。

(AFPBB News)


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このページは、green plusが2012年6月20日 09:57に書いたブログ記事です。

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