
【写真:IHIが豪州で実証実験を進めるCO2の回収・貯留(CCS)プラント(SankeiBiz)】
三菱重工が開発した回収プラントは、火力発電所や高炉から出る排出ガスから特殊な溶液を使ってCO2のみを分離回収します。従来は500トンが回収の限界でしたが、新たに世界最大の3000トンの回収能力を持つ設備を開発しました。同社はこれまでCO2回収プラントで国内外12件の受注を獲得しており、 超大型の回収装置を武器に新規顧客の囲い込みを目指します。
発電所などから排出されるCO2を回収・固定化して、地中に貯留し、大気への排出量をトータルゼロに近づけるCCSを、回収ビジネスの本命と位置づけるのが日立とIHIです。
日立は、CCSの効率的な回収技術の確立を目指して、カナダの電力大手、サスカチワン州電力公社と共同実証実験を進めることを決めました。実験費用の50億円は両社が共同で拠出し、サスカチワン州にある同公社の石炭火力発電所にCCS設備を設置し、2014年夏ごろから約1年間の予定で実証試験を進めるとのこと。
IHIも、Jパワー(電源開発)などと連携して、豪州でCCSシステムの実証実験を進めるほか、相生事業所(兵庫県相生市)にCCSの実験設備を設けて、15年の事業開始に向けて着々と準備態勢を整えます。
米EPAの規制案が実際に実施されると、今後30年までに新設される石炭発電所にはCCSが導入される見込み。成長分野を狙って独シーメンスやBASFもCCSの技術確立を急いでおり、世界の重電メーカー間で市場争奪戦が激しさを増すのは必至です。(産経新聞社)
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