国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の締約国は11日、世界の持続可能な発展英雄賞を中華民国(台湾)教育部の林聡明次長に授与、台湾のキャンパス・ベジタリアン政策推進の努力を称え、その世界への拡大に期待しました。中華民国政府の関係者が受賞するのは初めて。
台湾では各県・市がいずれも学校内での低炭素飲食を推進。毎月もしくは毎週、1~3度の食事を「野菜日」としています。2010年9月から2011年7月までの学年度ではこれら自治体所轄の86%の学校が参加。2011年9月から2012年7月までの学年度では93%となり、台湾全土3530の学校のうち、3281校が参加しています。11の県と市の学校は全て参加、17校では毎週二度以上、ベジタリアン料理の昼食としています。
苗栗県、彰化県、花蓮県、新竹市、嘉義市所轄の学校は全て、毎週1日を「野菜日」としています。大学や専科学校では、台中教育大学が2010年より毎週火曜日と木曜日を「野菜日」としている他、中山大学では毎月6日を「無肉日」とし、校内すべてのレストラン、コンビニエンスストアで肉は提供していません。
推進成功の秘訣について、林聡明次長は、各学校の校長たちの協力に感謝すると共に、ベジタリアン政策の宣伝では、聞いた人に「感じさせる」ことが大切で、みなに地球温暖化の危機と野菜摂取が人体に有益であること気づかせなければならないと話しているそう。
IPCCのパウチャリさんいわく、牛などの食肉を食べなければ、世界のCO2は20%削減できるそうです。巨大産業となっている畜産は、飼料の輸出入、出荷時の配送、また飼育時にはゲップや糞尿などCO2より21倍温室効果が高いメタンも、実は馬鹿にならないそうです。
この取り組みは、CO2を吸収する植物を与えて育てなくてはならない動物を食べるより、植物をダイレクトに食べたほうが低炭素化だ、ということで、畜産食肉の食べ過ぎをブレーキかけるというユニークな試みですね。バランスの良い食事は健康にも良いことだと思います。
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