オーストラリア議会下院は12日、温暖化ガスを排出する企業に負担を求める炭素価格制度(炭素税)に関連した一連の法案を賛成多数で可決しました。
(写真は首都キャンベラの連邦議会前で行われた炭素税賛成派の集会AFPBB Newsより )
与党・労働党は単独過半数に満たないが、無所属議員や緑の党が協力し、賛成74票、反対72票で通過しました。11月には上院でも採決しますが、緑の党の協力で可決が確実。炭素税は来年7月1日に導入される見通しとなりました。
新制度では、CO2など温暖化ガスの排出量が比較的多い企業に1トン当たり23豪ドル(約1750円)の支払いを求めることになり、負担額は2014年にかけ、毎年2.5%ずつ引き上げます。
制度導入を通じて再生可能エネルギーの普及を促し、20年までに1億6000万トンのCO2排出量削減を目指します。15年7月には、排出価格が市場の需給で決まる排出量取引制度(ETS)に移行する予定です。
ギラード政権は炭素税導入に合わせ、鉄鋼など負担の大きい産業の支援策を用意し、価格転嫁による電気代値上げなどの影響を受ける家計にも、補助金や減税で配慮します。しかし、炭素税に対する国民の反発は根強く、最近の地元紙の世論調査では、労働党の支持率は29%に低迷し、炭素税に反対する野党・保守連合(自由党と国民党)の49%を大きく下回っています。
(日経新聞)
産業界が炭素税に反発しているというのはわかりますが、国民の反発が根強いというのは驚きです。オーストラリアは国民1人当たりの温室効果ガス排出量が世界でも多い国という認識が欲しいところです。
環境ブログランキングに参加しています。よろしければクリックご協力お願いします。