生物由来のバイオ燃料では、市は1996年以降、てんぷら油で作った燃料(BDF)をごみ収集車や市バスに使うなどしており、日立造船にBDF製造プラントを発注した経緯もあります。今回の実証事業は、原料になる廃棄物の幅を広げるメリットがあり、来年度までの2年間、環境省の補助金を受けることも決まりました。
今年度末に運転を始め、集めた生ごみと紙ごみを専用の機械で分け、酵素と酵母を加えて糖化・発酵させた後に蒸留します。約5日の工程で、ごみ1トンから濃度99.5%のエタノールが60リットル前後でき上がるといいます。
実験では、生ごみと紙ごみの比率によって製造量がどう変わるかなどを調べ、低コストで効率的な製造方法を検討。できあがったエタノールは、ガソリンに混ぜたり、暖房器具の燃料にしたりして活用します。
バイオエタノールは世界各国で、トウモロコシやサトウキビなどが原料に使われてきましたが、世界人口の増加で、今後、食料を原料にするのは難しくなると考えられています。
特殊な酵母を提供する熊本大の木田建次教授(発酵工学)は「生ごみと紙はすでに回収システムができており、量も安定している。作ったエタノールを地産・地消すれば環境保全に役立つ」と期待しています。
(読売新聞)
バイオエタノールについては食料との競合の問題の他に、原料となる作物の栽培で農機具などが化石燃料を使用するという矛盾点も指摘されています。
ゴミや紙が化石燃料に置き換えられるとなれば、まさに循環型社会にふさわしいエネルギーと言えますが、精製過程でどれだけのCO2を排出するのかも問題です。
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