南米アマゾンと並び「地球の肺」としてCO2を吸収してきたツンドラが、排出源に転じる恐れがあると警告しています。
ツンドラは1年の大部分が氷雪に閉ざされる荒原ですが、夏季には低木やコケ類があらわれ、CO2を吸収。枯れ木や落ち葉などと共に泥炭となり、数千年かけて土壌中に大量の炭素を蓄えてきました。
チームは米アラスカ州北部のツンドラで炭素の量を測定しました。通常は1平方メートルあたり約8キロが蓄えられていますが、火災現場では約6キロに減りました。減少分はCO2として放出されたとみられています。
アラスカでは近年、火災が多発しています。地球温暖化で雪に覆われる期間が短くなり、ツンドラが乾燥。落雷などにより植物が燃え、土中の泥炭に燃え移るためです。
2007年に起きた最大規模の火災は、東京都の面積の半分近い約1000平方キロに拡大し、推定で約200万トンの炭素が放出されました。この量は北極圏のツンドラ全体が1年間で蓄える炭素の量とほぼ同じで、日本が2009年度に排出したCO2に含まれる炭素の0.6%に当たります。
チームは「温暖化が火災を招き、それが炭素の放出に発展する悪循環。植物による吸収効果は相殺されている」としています。
(毎日JP)
日本の森林による年間CO2吸収量は約8300万トンと言われていますから、200万トンの放出というとその約2.4%に当たります。日本の森林面積は約2500万haですので、その2.4%というと約60万haとなります。これは茨城県の大きさの森林が消失したということに匹敵します。