横浜市の日産本社に448枚の太陽電池パネルを新設、ここで発電した電力を本社内の電気室に設置したリチウムイオン電池に蓄え、EVの充電や社内の照明用などに使います。太陽光利用の充電システムにより、EVの走行時だけでなく、供給する電力の発電時もCO2を排出しない「ゼロエミッション」を目指します。
充電システムは住友商事との共同出資会社で、リチウムイオン電池の二次利用事業調査などを手がけるフォーアールエナジー(横浜市西区)と共同開発しました。太陽光発電は最大出力40キロワットで、リーフ4台分の電池を使った充電システムの最大充電容量は96キロワット時。蓄電した電力は日産本社内の充電器でEVに供給する計画で、リーフに換算して年間約1800台分を充電できるとしています。さらに余剰電力がある場合は、照明用など本社の一般電力としても活用します。
日産はリーフの使用済み電池を再利用し、産業用や家庭用の蓄電池として再販する事業を計画している。昨年12月にリーフを発売したばかりで、使用済みリチウムイオン電池が集まるのは5年後からとみており、今回の実験で事業化する際に、どの程度の蓄電量が必要かなどを検証します。
また、12月には一般家庭用で、リーフ同様の24キロワット時の電力を蓄えられる定置型蓄電池のモニター実験も始めます。東日本大震災とその後の電力供給不足で、蓄電池の活用ニーズは高まっており、同社では来年をめどに100万円を切る価格で定置型蓄電池の市販を目指すとの事です。
EVのリチウムイオン電池は10年使用後も70%程度の充電容量があるそうで、その有効活用が期待されています。戸建て住宅のみならず、マンションなどで、電気料金の安い夜間に充電して、日中各戸に分配するという使い方も今後広がりそうですね。