地球温暖化のため北極やグリーンランドの氷の融解が進み、今世紀末までに世界の海面が最大1.6メートル上昇する可能性があるとの研究結果を、北極圏に位置する米国やロシアなど8カ国でつくる北極評議会の研究チームがまとめたと、米メディアが報じました。
海面の上昇は、従来の予測を大きく上回る上昇幅で、太平洋の島々や米フロリダ州など海抜が低い地域が打撃を受けるほか、日本では堤防の建設など津波対策費用が大幅に増える恐れがあると指摘しています。
さらに報告書は、近年は北極で気温が高い状態が続き、2004~09年にグリーンランドの氷床が融解する速度は1995~2000年の4倍であるとし、グリーンランドの氷床や北極近くの氷河が水になって海に流れ込むことを考慮すると、2100年には、海面が1990年に比べ0.9~1.6メートル上昇する可能性があるとしています。
世界の科学者で構成する国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は07年に第4次報告書で、0.18~0.59メートル上昇すると予測しました。これは主に海水温上昇に伴う海水の膨張を検討したもので、今回は氷の融解も加えたため、上昇幅が大きくなったとの事です。
(東京新聞)
原発沿岸部の津波対策など、安全面、コスト面からみても、脱原発の議論が加速しそうですね。