解析では、北極圏のオゾン層破壊はスカンディナビア半島やロシア上空など直径3千キロの範囲に及び、フロンガスによる破壊を温室効果ガスが加速させているとしています。
大規模なオゾン層破壊は、1980年代から主に南極で観測されて、研究チームは90年代から北極圏の30カ所で計測してきました。
北極上空の成層圏では、気温が例年よりも10度以上低い零下80度以下を記録しています。オゾン層の破壊は、低い気温で成層圏にできる雲の表面での特殊な反応で進み、温室効果ガスの排出が増えると対流圏の気温は高まりますが、成層圏の気温は低下します。
国立環境研究所の中島英彰地球環境データベース推進室長は「北極のオゾン層破壊は今後さらに進む可能性もある。南極だけではなく、人が住む地域に近い北極の状態も注視する必要がある」と話しています。
(朝日新聞)
オゾン層の破壊によって皮膚がんの発症率が上がるとのデータもあり、人体や生態系への影響が心配されます。国内では原発推進が後退する中、今後のエネルギー政策について様々な議論が高まっておりますが、地球環境悪化のスピードを考えますと、再生可能エネルギーの世界的な普及が待ったなしで急がれます。