再生エネ全量買い取り制度詳細案決定

 再生可能エネルギーの電力全量買い取り制度が始まります。産業用の導入が期待されますが、中国勢の参入で競争は激化。海外に出遅れた「新エネ開国」は、果たして吉と出るのでしょうか。
 経済産業省は12月22日、再生可能エネルギー全量買い取り制度詳細設計案をまとめ、総合資源エネルギー調査会の買い取り制度小委員会に報告、おおむね了承を得ました。住宅用太陽光は現行の余剰電力買い取り制度を引き継ぎ、太陽光以外は全量固定価格買い取り制度を導入します。

パブリックコメントを経て、今月中旬にも最終報告をまとめ、次期通常国会に「買い取り法案」など関連法案を提出するとのことです。

 ようやく日本で本格的に動き出すFIT(電力の固定価格買い取り制度(フィード・イン・タリフ=FIT)。住宅用の太陽光発電を対象に2009年11月から先行スタートしたが、2012年度からは風力や地熱、発電量3万キロワット以下の水力、バイオマスにも買い取り対象が広がります。

住宅用太陽光では余剰分のみ買い取りですが、事業者が発電所を運営する場合は、発電した全量を買い取ります。買い取り期間は15年、価格は1キロワット時当たり20円程度とのこと。

FITの狙いは、日本メーカーの製品生産量拡大による護送船団式国際競争力の強化です。しかし現実は、その狙いと逆行する事態も起きているようです。

風力発電施設
茨城県神栖市の風力発電施設。
(写真:ウィンド・パワー・いばらき)

一連の動きに敏感に反応しているのが中国メーカーです。低価格な設備による発電コストの低さを訴求する中国メーカーを前に、高効率・高価格の日本勢は苦戦を強いられるかもしれません。

例えば、太陽電池。ここにきて、中国メーカーが次々に上陸しています。2009年に本格参入した世界2位のサンテックパワー、世界8位のトリナ・ソーラー、新興のチャオリーソーラーなど。トリナ・ソーラー・ジャパンの伊井明誠副社長は、「産業用の買い取り制度開始を見据えて、既に住宅用販売を通じてブランドの浸透を進めている」とのことです。


(日経ビジネスオンライン)

環境新聞

国民などから広く電気代に上乗せして徴収するFIT制度ですが、この行き先が海外メーカーというようでは情けない話ですね。国内メーカーにはグローバル時代の競争力をつけるためにも、この買い取り制度をうまく助走に活用していただきたいものです。

 

環境ブログランキングに参加しています。よろしければクリックご協力お願いします。

環境ブログへ






 

トラックバックURL: http://eicnet.sakura.ne.jp/mt5/mt-tb.cgi/954

このブログ記事について

このページは、green plusが2011年1月 9日 07:23に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「生物多様性、企業の75%「取り組みせず」 環境省アンケート 」です。

次のブログ記事は「トーマツ/サプライチェーンでのCO2排出で格付サービス開始」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

環境ブログ

環境ブログランキングに参加しています。よろしければクリックご協力お願いします。


Creative Commons License
このブログはクリエイティブ・コモンズでライセンスされています。