昨年末の第15回締約国会議(COP15)では、途上国を含むすべての国に削減策の提示を求める「コペンハーゲン合意」がまとまりました。先進国はこの合意に基づき、地球温暖化対策を強化するよう主張。これに対し途上国は、いまの温暖化を招いた先進国がより厳しい削減目標を掲げ、先進国だけに削減義務がある京都議定書に、13年以降も従うよう求めています。
この対立が解けないため、11月末からメキシコで始まるCOP16では、ポスト京都の枠組みを定める包括的な議定書の採択はひとまず見送り、主要論点を確認する決議を採択して、来年末に南アフリカであるCOP17での合意につなげることを目指すとのこと。
この日の作業部会では、議長が決議の骨子案を示しました。(1)国際的な温暖化対策の長期ビジョン(2)洪水や干ばつなど温暖化被害の防止策(3)温室効果ガスの削減策(4)途上国への資金や技術の支援ーーの4分野で構成。「バランスある決議を目指す」ことで一致しましたが、各国の思惑は交錯しており、交渉は難航しそうです。
途上国は、COP16で京都議定書の延長に一定の道筋をつけたい考えです。同議定書を13年以降も延長させるには、11年のCOP17までに改正案を採択し、翌12年10月までに4分の3の締約国が批准する必要があります。
欧州連合(EU)やノルウェー、スイスなど先進国の一部は、同議定書を継続させた上でポスト京都の新たな議定書を併存させる「2議定書体制」を受け入れる姿勢に転じ始めています。一方、日本はすべての国が一つの枠組みに入る「1議定書体制」を強く要求しており、日本が孤立する恐れも出てきています。
(朝日新聞社)
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