米エネルギー法案、温室ガス「17%削減」削除

 ハリー・リード米民主党上院院内総務は28日、風力などクリーンエネルギーの促進と沖合での原油流出対策に絞ったエネルギー法案を提出したと発表しました。

 包括的な気候変動対策を盛り込んだ当初案には、オバマ政権が掲げる温室効果ガス排出量の17%削減目標や排出量取引制度創設が含まれていたが、法案から削除されました。米国の温暖化対策の取り組みの後退を印象づけ、国際的な温暖化交渉にも影響が避けられなさそうです。

 提出された法案は「クリーンエネルギー雇用と石油会社の責任に関する法案」。昨年6月下院で可決された法案には、2020年までに05年比で17%削減する目標や排出量取引制度創設が明記されています。民主党がこれらの明記を見送ったのは、共和党の反対が強く、法案可決のめどが立たないためで、クリーンエネルギー普及と原油流出対策を急ぐため、成立を優先させたからだそうです。

 オバマ大統領は、今回の法案について「最初の一歩だ」と述べ、8月に法案を成立させ、秋以後、改めて削減目標や排出量取引の法制化に取り組む考えを示しています。だが、11月の米中間選挙で民主党は議席を減らす公算が大きく、年内の法制化は一層困難になると見られています。温室効果ガス削減を協議するためメキシコで11月に開幕する気候変動枠組み条約締約国会議(COP16)で、米国が指導力を発揮するのは難しくなりました。

 

 米国が気候変動問題に取り組む姿勢を見せ始めたのは評価するべきことであるとは思うが、世界各国が足並みをそろえて取り組まなくてはいけない排出量削減の明確な数値提示を削除してしまったのは残念です。原油流出対策を行っている間にも気候変動は悪化していくことを考えると、様々な事柄が絡んでいる問題であるのは分かるがもっと効率よく取り組めないものなのかと思いました。

<読売新聞>

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このページは、Fujiwara Sakiが2010年7月31日 00:45に書いたブログ記事です。

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