サッカーW杯のCO2削減に取り組む南アフリカ

 南アフリカは来たるサッカーW杯(2010ワールドカップ)を「グリーン」な大会にすることを宣言しているそうですが、その仕事を担う地元自治体は、大会開催で出る莫大なCO2をいかに相殺するか、日々格闘しているそうです。
 アフリカ大陸初の開催となる同大会のために新しく建設されたスタジアムはどれも、自然換気、雨水回収システム、エネルギー効率を考えた設計など、第1級の環境基準を備えているとのこと。

 ヨハネスブルク、ケープタウン、ダーバンの各都市は、地球温暖化の原因とされているCO2を吸収させるため、数千本の樹木も植えているそうです。
 ダーバンは、開催地9都市のなかでは最も意欲的とのこと。水力タービンやごみの埋め立て地から出るバイオガスを使った発電で、ダーバンからのCO2排出を相殺する計画を進めています。同市の担当者によると、炭素クレジット制度のもとで、こうした計画がダーバンで開催される大会のCO2排出量を相殺するまでに2年半かかるといいます。

 こうした努力にもかかわらず、W杯の環境コスト「カーボンフットプリント」は高くつきそうです。南ア大会のCO2排出量は、前回2006年のドイツ大会よりも9倍多く北京五輪より2倍以上多い275万トンと見積もられているそう。

 第一に、地理的な問題があります。海外の人がアフリカ大陸の南端で自国のチームを応援するには、710万キロ移動しなければならず、飛行機からは大量のCO2が排出されます。

 国内移動においても、90万トンのCO2が排出されると見込まれています。遠く離れた会場間の移動に飛行機を使わざるを得ず、また、南アは電力の大半を石炭に依存しているためです。
 
 政府は、CO2排出量削減努力の大半を、地元自治体に負わせてきました。
国際環境保護団体グリーンピースのある活動家は、「南ア政府と大会運営委員会はグリーンな大会に向けて大々的なキャンペーンを行ってきたが、具体的な成果は出ていない」と指摘しているそうです。(AFPBB News)

 南アフリカの地理的な問題も含め、今回のW杯開催に伴うCO2排出量の多さは免れませんね。
国際的な大会ということもあり、影響力も大きいので、カーボンニュートラルな大会となるようCO2削減を進めていってほしいのですが、実際に見に来る観客の方や選手にも率先的に呼びかけをし、何かしらの形でCO2削減に協力してもらえると、意識の普及にもつながって良いのではと思います。


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このページは、green plusが2010年3月 5日 12:55に書いたブログ記事です。

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