同社はこれまで、すべての新製品について、ライフサイクルにおける環境品質や環境負荷軽減について社内で審議し、承認された場合にのみ製品化するという環境配慮設計の仕組みを進めてきました。
今回、その評価項目を改定し、これまでの「地球温暖化防止・環境負荷低減」「資源の有効活用」「安全・コンプライアンス」「情報開示」に、「生物多様性の保全」を加えるそうです。
さらに、具体的な評価項目として、「生態系への影響回避または最小化に向けた取り組み」「長期的視点から生物資源の持続的供給に関するリスクマネジメント」という項目を新設したとのことです。
2010年は国連の定める国際生物多様性年であり、10月には愛知県名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が行われるため、徐々に生物多様性に関連した取り組みが増えてきました。 しかし、すべての製品のライフサイクル全体について「生物多様性の保全」を細かく評価するのはとても先進的な取り組みだと思います。
昨年6月に内閣府が3000人を対象に行った世論調査では、生物多様性の意味を知っていると答えたのは12.8%と、まだまだ知られていません。
しかし、このような企業の取り組みの促進には、消費者の理解も必要なので、このような取り組みはとても大切で、応援したいと思います。
すべての製品設計に「生物多様性の保全」方針を導入:富士フイルム
「生物多様性の保全に関する基本認識と行動指針」:富士フイルムグループ