55カ国が温室効果ガス削減の中期目標を発表 

 昨年12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)での「コペンハーゲン合意」を受け、米国や中国、インドを含む世界の55カ国が2020 年までの温室効果ガス排出削減の中期目標を国連の気候変動枠組み条約事務局(ドイツ・ボン)に提出した事を、事務局が1日、明らかにしました。
 日本を含め主要な先進国と中国などの新興国は、公表済みの目標と同じ削減数値を掲げました。55カ国の温室効果ガスの総排出量は世界の78%に相当するといいます。

 主要排出国が排出削減を国際社会に正式に約束したことで、削減への一定の効力が期待でき、京都議定書に続く温暖化対策の次期枠組み交渉上、一定の前進といえます。だが、新興国側は目標は自主的なものだと強調しており、今年11月から12月にメキシコで開く第16回締約国会議(COP16)で新興国の取り組みを含む次期の法的枠組みがつくれるかは依然、不透明です。

 中国は国内総生産(GDP)当たり排出量の05年比40?45%減、インドは同20?25%減の目標を提出、両国とも、目標には法的拘束力がないことを強調しました。温暖化の影響を特に強く受けるモルディブは、排出量をゼロにするとしました。

 先進国側は、米国が05年比17%減、欧州連合(EU)は1990年比20または30%減。日本も主要国の参加を条件に90年比25%減としました。

 デブア条約事務局長は各国に削減目標のさらなる上積みを求めつつも「(各国の)目標の表明は(温暖化対策の)交渉を成功に導こうという意欲の表れだ」と評価したそうです。

 各国の中期目標が正式に公約されましたが、COP15において各国が提示した目標値の通りとなっているため、世界の温室効果ガスを十分に低いレベルで安定化できる数字ではないと思います。
 一方、地球温暖化による海面上昇で水没の危機が指摘されるインド洋の島しょ国、モルディブは温室効果ガスの排出量を2020年までに実質ゼロにする方針を表明し、ナシード大統領は「気候変動はわれわれすべての脅威だ。今、行動しなければ、熱帯雨林やサンゴ礁を失うだけでなく、人類の文明そのものを失う恐れがある」と痛烈な警告をしました。
 地球の資源がこのまま失われてしまう前に、政治的なしがらみを超え、各国が削減への取り組みに一丸となる姿を見られることを願っています。


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このページは、green plusが2010年2月 1日 17:01に書いたブログ記事です。

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