建設不振で廃木材が激減、間伐材・林地残材の利用も

 建設市場の低迷に伴い、木質チップの原料である廃木材の発生量が激減しているそうです。
木質チップは木質バイオマス発電やバイオエタノール燃料製造への利用が進んでおり、安定的な供給が懸念されます。
 経済不況のあおりを受けて建設市場が低迷を続けています。それに伴い廃木材などの発生量も激減しており、木質チップ業界は厳しい状況に立たされているとのこと。

 全国木材資源リサイクル協会連合会によると、全国的に昨年と比べて20%から30%程度流通量が減少しているといいます。

  パーティクルボードなどの原料だけでなく、ボイラー燃料などエネルギー源としても利用されている木質チップは、木質バイオマス発電の拡大により近年では需要が急増しています。製紙メーカーやセメントメーカーが燃料転換として導入を進めているだけでなく、最近では大型のバイオマス発電施設も稼働するなど、木質チップは獲得競争が激化しているとのこと。

 一方、チップの主な原料となる廃木材や製材端材は、建設市場の不振により流通量が大幅に減少してお り、チップ業者間でも原料の獲得競争が生じています。また、昨年制定された「バイオマス活用推進基本法」において、木質チップは利用拡大が期待されるバイオマス資源の一つに位置付けられています。食品と競合しないソフトセルロースとしてエタノール原料としても利用技術の開発が進められており、今後さらに需要は高まる見込みとなっています。

 こうした状況を受けて連合会では、政府に対する要望書を取りまとめ、提言しました。要望では木質バイオマスチップの供給確保に向けた廃棄物系木質バイオマスの枠組み見直しや規制緩和、支援拡大のほか、林地残材など未利用資源の利用拡大のための仕組み作りなどを求めているそうです。今後、エネルギー保障の観点からも適切な森林整備の推進が期待されます。

 廃木材は激減していますが、同じく木質バイオマスとして活用効果の高い、間伐材や林地残材のほとんどは未だ森林に置き去られています。これらの未利用資源をエネルギーとして循環できるよう、しっかりとした仕組みづくりと、適切な森林整備を進め、森林の多面的機能がきちんと発揮されるようサポートしていってほしいと思います。


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このページは、green plusが2010年1月27日 15:41に書いたブログ記事です。

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