間伐材の収集効率化、山中でチップに

mori200x132.jpeg建材製造のイワクラ(苫小牧市、後藤英夫社長)は北海道立林業試験場などと共同で、山林で間伐材を効率的に収集する手法の開発に乗り出しました。

これまで間伐材は収集のコストと販売価格が見合わず、山に放置することが多かったのですが、集める量が増えれば、住宅用の合板や、環境への負荷が少ない木質ペレットの材料などの安定供給につながります。2--3年後の実用化を目指すそうです。


まず道内の建設会社と組み、間伐材を山の中で破砕し、チップにしてから運び出す実証実験を始めました。集材場所に破砕機を設置。その場で破砕してチップにしてベルトコンベヤーで直接トラックに積み込みます。

間伐材を集めやすいように、重機メーカーと専用機器の共同研究も始めています。国内の林業用の重機は建材向けの太い木を収集するためのものが大半。直径15-20cm程度と細い間伐材をつかんだり、運んだりするのには適していませんでした。

今後は間伐を発注する側の道や山林を保有する企業、間伐業者と協力し、間伐材を収集しやすい方法も検討するそうです。現在は生育が悪い樹木を選択して伐採 する「定性間伐」が主流ですが、等間隔で列を作るように伐採する「列状間伐」を導入。重機が入りやすくします。また間伐した木をすぐに林道近くに運び出す など伐採段階から集材を考慮した作業を組み入れていきます。

現在は破砕機のレンタル料などが高く、1トン当たり2万--5万円のコストがかかっています。イワクラでは間伐方法の改良などを組み合わせ、1万円以下まで下げられれば間伐材の利用効率が大きく高まるとみているようです。

同社は木材チップを合成樹脂などで接着し、板状に成型したパーティクルボードが主力製品の一つ。ストーブやボイラーの燃料となる木質ペレットの生産にも力を入れている。

間伐材はこれまで放置して腐らせたり、野焼きしたりしていました。腐敗の過程で害虫や野ネズミが発生し、生育中の木に悪影響を及ぼすこともあるようです。森林資源を有効活用する観点からも間伐材の利用率向上は急務といえます。

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このページは、green plusが2009年2月25日 23:14に書いたブログ記事です。

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