
同社がカーボンニュートラル宣言を検討し始めたのは、今年頭のこと。「損保と気候変動はかかわりが深い。ISO活動やエコ商品の提供以外に何かやれないかという思いが経営層にあった」。

だが、決断までの道のりは平たんではなかった。2006年度のCO2排出量は約5万5000t。12年度までに省エネ設備などの導入費用が300億円に上 ることが明らかになったのだ。それでも削減できるのは、2006年度比で15%程度。残りは排出枠の購入で相殺しなければならない。
300億円の内訳は、まず東京都の自社ビルを、最新鋭の省エネ技術を盛り込み90億円を投じて建て替える。残り210億円は、全国に約150ある自社ビル の空調や照明などに対する省エネ投資、データセンターのサーバーの省エネ型への切り換えなどに充てる。
排出枠の購入費用は2億円前後を見込むが、300億 円の予算には含んでいない。12年時点で電気代とガソリン代の節約分が年間約20億円生じる見込みで、ここから排出枠購入費を出す計画だ。【日経エコロ ジー】