メタンハイドレートの生産試験に成功し、エネルギーの大半を輸入に頼ってきた日本にとっては、実用化に大きな期待がかかっていますが、今後は大幅なコスト削減という高いハードルが待ち構えます。商業化には革新的な技術開発が不可欠です。
メタンハイドレートは海底の下に固体で存在するため、原油や天然ガスのように井戸を掘っても自ら噴き出しません。今回の試験では、地層の圧力を下げることでメタンハイドレートをガスと水に分解して取り出す「減圧法」を用いました。
1カ所の井戸から採れるガスの推定量は従来型のガス田の10%程度とみられ、商業生産には井戸の数を増やす必要があります。
政府関係者によると、生産コストは天然ガスの取引単位である100万BTU(英国熱量単位、天然ガス25立方メートルに相当)当たり50ドル程度とみられ、シェールガスの生産が本格化した米国内の価格(3ドル程度)や、日本のLNG輸入価格(15ドル程度)と比べても相当に割高といいます。このため、既存の天然ガスと競争できる程度までコストを下げられるかが事業継続の課題となります。今後、実用化にはコスト低減の努力が欠かせず、更なる技術開発が、新たな国産資源の将来性を左右します。
(Sankei Biz) (MSN産経ニュース)