これまで登録されたCDMプロジェクトは合計6244件。そのうち植林によるCDMは44件(うち17件が小規模)(2013/2/7現在)と、植林CDMはあまり創出が進んでいませんでした。
これにはいくつかの理由がありますが、ひとつは他のCDMプロジェクトと異なり、創出されたCERが「テンポラリーCER」といって、いずれ他のクレジットで穴埋めし無くてはならない、いわば急場を凌ぐためのクレジットで、クレジットを販売しづらいことが考えられます。
もうひとつは複雑な方法論の存在ですが、これが昨年のEB68(第68回理事会)およびEB70で大きく整理されました。
まずEB68では、7つあった小規模植林CDMの方法論が、「湿地」と「湿地以外」の2つに統合整理されました。
a. AR AMS0007 「草地・農耕地での小規模単純化ベースライン・監視手法」改訂
b. AR AMS0003 「湿地での植林・再植林での小規模単純化ベースライン・監視手法」改訂
c. AR AMS0001,2,4,5,6 の上記2方法論への統合・廃止
ついでEB70では13あった大規模植林CDMの方法論が、「湿地」と「湿地以外」の2つに統合整理されました。
a. AR-ACM0003, A/R-AM0014, 樹木・灌木での炭素蓄積及び蓄積変化推計ツール
b.- AR-AM0002,0004,0005,0007,0009?0013,ACM0001 (上記2方法論へ統合)
こうして徐々にではありますが、現行ルールは改定されています。
今後もこうした方法論の整理と、使用するデータや証拠書類の標準化が議題として上がっているようです。
国際的には京都議定書の延長から離脱した日本ですが、二国間クレジットなど独自の削減策を打ち出しています。
エネルギー問題で温暖化対策がトピックスになりづらかった国内でも、再び社会が真摯に向き合う時代が来ることと思います。
UNFCCC方法論(英語)
経済産業研究所・東京大学
国際連合気候変動枠組条約CDM理事会第68回理事会概要報告
国際連合気候変動枠組条約CDM理事会第70回理事会概要報告
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