大都市のヒートアイランド現象、北半球の気温に影響 米研究

 大都市で発生する熱が、高層の気流の流れを局所的に変えることで、数千キロ離れた地域の気候に影響を及ぼす可能性があることを、米国の研究チームが発表しました。

 都市部では、石油・天然ガス・石炭を燃やして輸送・暖房・空調などを行う自動車・ビル・発電所などから大量の「廃熱」が発生します。「ヒートアイランド」 (都市高温化)として知られるこの現象は、特に夏の猛暑などで、都市部の住民にのみ影響を与えるものと従来考えられてきました。

  しかし、米フロリダ州立大学の研究チームは大気のコンピューターモデルを使用して、ヒートアイランド現象の影響が予想よりもはるかに遠方にまで及ぶことを指摘しました。原因は地球規模での空気の流れです。

都市部で車や人間活動によって集中的に発生した熱は対流圏上層へ移動し、ジェット気流の一部を乱します。中緯度付近で地球を循環して吹く冷気の帯を、熱によって遮ってしまいます。その結果、冷気が上方に押され、赤道からの暖かい空気が入り込むようになり、北欧や北米の一部で気温が上昇します。

同研究チームのモデルでは、カナダ北部からアラスカ、中国北部にわたる広い地域で、秋期・冬期の気温上昇が見られました。

 地球全体の温暖化は各地の気候に作用していますが、都市部の熱の影響は世界人口の90%近くが暮らす北半球で顕著でした。一方、秋に最も大幅な気温低下が観測されていますが、その理由は解明できていないといいます。

 研究の詳細は「Nature Climate Change」誌で1月27日に発表されています。

 (AFPBBニュース) (ナショナルジオグラフィック)


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このページは、green plusが2013年1月30日 11:48に書いたブログ記事です。

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