火力発電所の利用率上昇でCO2、SOX、NOX排出量が急増 需給検証委員会

 「火力発電所由来の24年度のCO2排出量は22年度比38.7%増」。10月30日に開催された政府の第10回需給検証委員会で、火力発電所の設備利用率上昇に伴うCO2、SOX、NOX の排出量の大幅な増加が明らかになりました。
 資料によると、平成24年度の石炭、石油、火力発電所の焚き増し分の合計は1.42億t-CO2と試算。平成22年度の電力9社のCO2排出量(3.62億t-CO2)の38.7%に及ぶことが示されました。内訳は石炭火力が1252万t-CO2、石油火力が7977万t-CO2、火力が4924万t-CO2。いずれも、火力発電所の設備利用率の上昇に伴う増加分です。また、大気汚染の影響も心配されています。

火力発電所由来の平成23年度の硫黄酸化物(SOX)排出量は、平成22年度比で51.6%の大幅増(22年7.6万t→23年11.52万t)。同じく23年度の窒素酸化物(NOX)排出量は22年度比で32.7%増(22年10.78万t→23年14.3万t)となっています。

今年度については、原発停止に伴う焚き増し分がさらに上乗せされているため、排出量もさらに増加する見込みとなっており、 政府は、厳冬期の北海道で7%以上の節電を強いるなど、当面の電力需給について綱渡りの状態を続けています。

 一方で、全国的に老朽火力のフル稼働継続を認め、長期停止中の火力発電所の再稼働も検討されており、燃料費増加に伴う電気料金の値上げや呼吸器系に疾患を抱える患者へのダメージ等、国民生活への影響を総合的に見極めるとともに、急増しているCO2や大気汚染物質の排出低減に向けた迅速な対応が求められています。

(日本商工会議所)

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このページは、green plusが2012年11月 7日 12:16に書いたブログ記事です。

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