旭化成ケミカルズ、木質バイオマス発電開始

バイオマス 旭化成.jpg 旭化成ケミカルズは主力拠点の延岡地区(宮崎県延岡市)で、木質バイオマス発電の稼働を開始しました。 25日に現地で竣工式を行いました。【写真:旭化成のバイオマス発電設備  Sankei Biz】

 「重油だとコストを要するし、その分を単に石炭に代えるだけではCO2排出の問題を改善できない」(旭化成ケミカルズの山添勝彦取締役)という考えに基づいた取り組みで、従来の重油を燃料としたボイラーと、石炭を燃料とした発電設備の一部を停止。産業廃棄物とされる建築廃材などを破砕した上でチップ状にして木質バイオマスへの燃料転換を図り、温室効果ガスを削減します。また、生物多様性の保全活動の一環として位置づけており、森林の地域循環利用システムの構築につなげていくとのこと。

 発電設備は、旭化成ケミカルズ(東京都千代田区)のエネルギー総部延岡動力部第2火力発電所内に設置しました。設備で発生した蒸気と電気を、延岡地区にある旭化成グループの各工場へ供給します。

 発電能力は1時間当たり蒸気が80トン、電気が1万4000キロワット。木材を5センチ以下に粉砕したチップ60%と石炭40%の割合で混合燃焼させます。既存設備に比べ年間約17万トン(15%相当)の温室効果ガス削減につながります。

  環境対策でなく、全社的なエネルギーコストの削減にも期待が集まっています。東京電力の電気料金値上げによって、旭化成ケミカルズ川崎製造所(川崎市川崎 区)の負担が大幅に増えており、エネルギー対策は喫緊の課題となっているからです。新型発電設備の稼働によって高価格で推移している重油の使用量を減らし、木質バイオマスなどに転換することでコストの低減につなげます。

 日本の林業は、伐採が十分に行われずに森林の再生が進まないといった問題を抱え、林業従事者数も減少傾向にあります。今回の木質バイオマス発電設備の本格稼働によって、地産地消システムを形成し、林業従事者の雇用を創出、里山の再生というサイクルが構築されることにも期待が集まります。

(Sankei Biz) (日刊工業新聞)

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このページは、green plusが2012年9月26日 13:50に書いたブログ記事です。

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