石炭重視でCO2削減進まず 経産省想定、環境省と差

 政府が進める国内のエネルギー政策見直しで、経済産業省の審議会が想定する将来の石炭火力の発電比率が、環境省の審議会の想定に比べ大幅に高く、これがCO2削減の可能量を少なくしていることが13日、分かりました。

 燃料調達コストが安い石炭を経産省が重視しているのが理由。CO2排出が少ない天然ガス比率は現状より下げるなど、石炭依存を強める方向になっていました。環境保護団体は「石炭火力は地球温暖化対策の流れから逆行する。原発が動かないのを言い訳に、温暖化対策を投げ出したい産業界の意向も感じられる」 と批判しています。

 経産省の総合資源エネルギー調査会や環境省の中央環境審議会の資料によると、例えば2030年に国内の稼働原発をゼロにする場合、火力発電に占める石炭の比率は中環審が15%ですが、総合エネ調が24%と大幅に高くなっていました。逆に天然ガス比率は中環審が30%なのに、総合エネ調は17%で現状の27%から減らす想定になっていました。

 中環審は30年に1990年比で25%の温室効果ガス削減が可能と試算しますが、総合エネ調の試算では削減幅は同17%にとどまっています。関係者によると、うち3%分が石炭火力の扱いの違いによるCO2排出の差といいます。

 いずれの資料も経産省資源エネルギー庁や環境省が作成。脱原発依存と併せて天然ガスに転換し温暖化対策を進める環境省と、コスト重視の産業政策 取る経産省の違いが浮き彫りになった形です。資源エネルギー庁は「天然ガスは輸送コストが高く、調達も石炭に比べて難しいなど難点が多い」と説明しているとのこと。

(中國新聞)


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このページは、green plusが2012年6月15日 10:01に書いたブログ記事です。

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