同機は25日にスイス西部パイエルヌから到着し、ここマドリードでパイロットが交代しました。エアバスA340型旅客機ほどの大きさながら自家用車ほどの重量しかないソーラー・インパルスは、パイロットのベルトラン・ピカール氏(54)を乗せ、5日午前5時22分(日本時間同日午後0時22分)、ほとんど音を立てずに、優雅にマドリードの夜空へと飛び立ちました。
ソーラー・インパルスは離陸後5時間ほどでマドリードとスペイン南岸との中間距離まで到達。飛行機に搭載されたカメラは、眼下に広がる渓谷の様子を配信しました。
離陸後しばらくして操縦席からAFPの取材に応じたピカール氏は、「およそ1時間ほど、右手には満月が、左手には見事な日の出が見えた。空と大地にはさまざまな色の光が輝いていた」と語りました。
ソーラー・インパルスは高度3600メートル、時速40キロメートルでスペイン南部セビリアに向けて飛んでいます。そこからジブラルタル海峡を高度8500メートルで越えてモロッコ入りし、タンジェ上空を通過して午後11時(「日本時間6日午前7時)ごろ、ラバトのサレ空港に着陸します。
総飛行距離2500キロメートルの今回の旅は、2014年に計画されている世界一周飛行に向けた準備でもあるとのこと。
ソーラー・インパルスは1万2000個の太陽電池と4つの電気モーターを搭載し、大型旅客機並みの翼長を持ちながら重量は特別客車の車両より軽いそうです。
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