氷河期:CO2が幕引き役 深海から大量放出、気温上昇

 約1万年前に氷河期が終わりを迎えた最大の要因は、CO2の急増だったとの分析を、米ハーバード大などの国際チームが突き止め、5日付の英科学誌ネイチャーに発表しました。CO2の増加が地球環境に大規模な変化をもたらすことを示す成果として注目されています。

 氷河期が終わった原因について従来、地球の公転軌道が変化し、大規模な気候変動が起きたこととの関連が指摘されてきましたが、CO2が大きな役割を果たした証拠を得たのは初めてです。

 チームは、過去の大気をそのまま閉じ込め、当時の気温も推計できる南極の氷床や、気温に応じて増減する花粉、プランクトンの分布など、世界約80地点のデータを集め、氷河期末期の気温や大気中のCO2濃度の変化を解析しました。

その結果、2万1500〜1万9000年前に太陽を回る地球の軌道が変わったことがきっかけで、氷河期の欧米を覆っていた氷が溶け、大量の水が大西洋に流れ込んで海流の循環が変化。深海に蓄積していた大量のCO2が大気中に放出されたと結論付けました。気温はその後地球全体で上昇、氷河期が終わったと推測されます。

 チームは「地球の軌道変化がきっかけではあるが、CO2が増加したことによる影響が大きい。現在も大気中のCO2は増え続けており、温暖化がより進行するのではないか」と指摘しています。

 地球では約260万年前から、寒冷な気候で氷河が発達した「氷河期」と、温暖で氷河が縮小した「間氷期」が繰り返されてきました。氷河期には、大陸に厚い氷 床が発達して海水面が下がり、間氷期には氷が溶けて海水面が上がります。約10万年続いたとみられる最後の氷河期は約2万年前にピークを迎え、約1万年前に終わりました。現在は間氷期に当たります。南極の「ドームふじ基地」で掘削された氷の分析によると、現在の同基地での気温は、氷河期だった2万年前に比べて約8度も高いそう。

(毎日新聞)


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このページは、green plusが2012年4月 6日 13:12に書いたブログ記事です。

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