氷河期が終わった原因について従来、地球の公転軌道が変化し、大規模な気候変動が起きたこととの関連が指摘されてきましたが、CO2が大きな役割を果たした証拠を得たのは初めてです。
チームは、過去の大気をそのまま閉じ込め、当時の気温も推計できる南極の氷床や、気温に応じて増減する花粉、プランクトンの分布など、世界約80地点のデータを集め、氷河期末期の気温や大気中のCO2濃度の変化を解析しました。
その結果、2万1500〜1万9000年前に太陽を回る地球の軌道が変わったことがきっかけで、氷河期の欧米を覆っていた氷が溶け、大量の水が大西洋に流れ込んで海流の循環が変化。深海に蓄積していた大量のCO2が大気中に放出されたと結論付けました。気温はその後地球全体で上昇、氷河期が終わったと推測されます。
チームは「地球の軌道変化がきっかけではあるが、CO2が増加したことによる影響が大きい。現在も大気中のCO2は増え続けており、温暖化がより進行するのではないか」と指摘しています。
地球では約260万年前から、寒冷な気候で氷河が発達した「氷河期」と、温暖で氷河が縮小した「間氷期」が繰り返されてきました。氷河期には、大陸に厚い氷 床が発達して海水面が下がり、間氷期には氷が溶けて海水面が上がります。約10万年続いたとみられる最後の氷河期は約2万年前にピークを迎え、約1万年前に終わりました。現在は間氷期に当たります。南極の「ドームふじ基地」で掘削された氷の分析によると、現在の同基地での気温は、氷河期だった2万年前に比べて約8度も高いそう。
(毎日新聞)
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