米沿岸部での大規模洪水の確率、温暖化で高まる

 米北東部のメーン州から東海岸を下りメキシコ湾に至る沿岸部と西海岸の沿岸部に住む500万人近い人々にとって、これまで「100年に1度」と言われてきた大規模洪水のリスクが、地球温暖化による海面上昇によって倍になっていることが分かりました。


 環境保護団体のクライメット・セントラルが発表した報告と、エンバイロンメンタル・リサーチ・レターズ(ERL)に掲載された2件の報告で明らかになっ たもので、アラスカとハワイを除く48州のうちどこが最もリスクが高いかが示されています。クライメットの報告は2010年の国勢調査と、米海洋大気(NOAA)による満潮線に関する新たな分析に基づいています。これはsurgingseas.orgのサイトで見ることができます。

 生態学の専門家でクライメットの最高執行責任者(COO)を務めるベン・ストラウス氏は、南フロリダは海面上昇と大規模な高潮による洪水に対して「防御不可能」かもしれないとしています。同氏はERLに掲載された2件の報告の共同執筆者でもあります。

 クライメットによると、南フロリダだけで300億ドル相当の資産が洪水で失われる恐れがあるといいます。
 ストラウス氏は、世界の海面は温暖化に伴う海洋の膨張、氷河と氷床の溶解によって引き起こされるとし、これは温室効果ガスの排出による地球温暖化が原因だと述べました。
 同氏によると、地球の気温が今世紀に1.1~1.6度上昇すると見られることから、今世紀に海面は0.6~2.1メートル上昇すると予想され、その中心的な予想は0.9~1.2メートルとなっています。

 クライメットの報告では、温暖化を背景に、米国の沿岸の55地点の3分の2以上は「100年に1度」の洪水の確率が倍以上になり、半分以上の地点では確 率が3倍になるといいます。30年までには海面上昇と高潮によって、多くの地点で海面は1.2メートルかそれ以上高くなる可能性があります。

(時事ドットコム)


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このページは、green plusが2012年3月19日 20:46に書いたブログ記事です。

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