オイルサンドの燃料分類化は科学的=欧州委員

oilsand.jpg 欧州委員会のヘデゴー委員(気候行動担当)は27日、記者会見し、CO2排出量による燃料の分類にオイルサンドから抽出した原油も含める計画は科学に基づくものだと強調しました。

 このランク付けは、燃料供給業者が環境に優しい燃料を選択できるようにすることが目的です。しかし、オイルサンド資源を豊富に持つカナダは欧州委の方針に強く反発しています。このランク付けによって同国産石油の市場が打撃を受ける恐れがあるためで、オリバー天然資源相は、欧州委の提案は科学ではなく政治に基づくものだと批判しています。
 ヘデゴー委員は、計画に政治的理由はないとし、「われわれはオイルサンドが他の種類の燃料よりも多くのCO2を排出するという事実を知っている」と語りました。その上で、「このため、この計画には明確な価値がある。計画はこの特定の燃料をターゲットにしたものではない」としています。
 環境保護団体は欧州委を強く支持しており、グリーンピースのメンバーは「カナダのオイルサンド計画によって世界の気温は産業革命以前に比べて6度上昇することになり、2度以内に抑えるという世界的な合意から大きく後退する」とし、「6度上昇ではゲーム・オーバーだ」と強調しました。
 欧州委が提案している温室効果ガス排出のデフォルト値(既定値)は、オイルサンド原油が1メガジュール(ジュールはエネルギー単位)当たり107グラムのCO2で、通常の石油の87.5グラムを上回っています。

時事ドットコム

 オイルサンドはカナダに多く堆積している石油に変わる化石燃料として、その潤沢な埋蔵量から開発が進められていますが、広大な森林地帯が根こそぎ掘り起こされ、採掘・精製にも多くのエネルギーを必要とし、石油生産以上のCO2を排出するとして問題になっています。

 貴重なCO2吸収源である森林を破壊してまで化石燃料を生産するというのは、温暖化防止に逆行するもので、もっと世界中で議論されるべきではないでしょうか。

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このページは、green plusが2011年10月28日 19:14に書いたブログ記事です。

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