減少分は大気中のCO2となって地球温暖化を悪化させた恐れがあるとのことです。アブラヤシは、環境にやさしい洗剤やバイオ燃料の原料になるパーム油を採ろうと、栽培面積が急増していますが、消費者の高まるエコ意識が、環境悪化を招くことを示唆する結果として注目されます。

　欧州地球科学連合の専門誌バイオジオサイエンスに発表されました。

　マレーシア半島部のパソ保護林（約2400ha）で、アブラヤシを9メートル間隔で植えると、樹高は伐採期を迎えた30年が経過しても十数メートルにしかなりませんが、これに対し、熱帯雨林では、種類によっては高さは40メートルを超えます。

　チームは現地調査に加え、陸域生態系の炭素や窒素の流れを再現するモデルを使い、熱帯雨林とアブラヤシの植林地で樹木や土壌に蓄えられている炭素量をそれぞれ試算しました。

　その結果、熱帯雨林の伐採後30年たったアブラヤシの植林地では1haあたり104トンの炭素が貯蔵されていたのに対し、同じ期間を経た熱帯雨林では同300トンもあったことが分かりました。

　環境研の安立美奈子特別研究員は「パーム油洗剤などはエコ商品といわれる。しかし、森林の二酸化炭素吸収の視点ではマイナス。地球規模でエコかどうかを考えてほしい」と話しています。

（毎日jp）

　世界で最も消費量の多い植物油がパーム油だそうです。アブラヤシの果実から搾油され、カップめんやフライドポテト、マーガリンやマヨネーズなどの食品のほか、洗剤やシャンプーなど日用品の原料としても幅広く利用されています。 新興国の成長などを背景に、世界の植物油需要が増大しており、貴重な熱帯雨林が急激に伐採されており、CO2吸収や生態系への影響が危惧されています。正しい知識で何がエコか考える必要がありますね。

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