京都議定書延長「反対の国ない」

000cf1bdd0480e66d9961b.jpg地球温暖化対策を話し合う、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の締約国会議(COP17)に向けたバンコクでの作業部会で、フィゲレス事務局長が京都議定書の2013年以降の延長について「反対の国はない」と述べ、議定書延長が加盟各国の大勢となっているとの見方を示しました。

 日本は議定書延長を阻む考えはない一方で、「延長されても参加しない」との立場を明確にしており、年末のCOP17に向けて議定書延長の国際合意ができた場合、議定書から離脱する可能性があります。議定書で温室効果ガスの削減義務を負う国の中で、延長に無条件に賛成している国は少なく、「延長が簡単に決まるとは思えない」との見方も示しました。

 京都議定書は、08?12年を「第1約束期間」として、先進国に削減義務を課しています。COP17で13年以降の「第2約束期間」を設けるかどうかを決めなければ、温暖化対策の法的な枠組みに空白が生まれることになります。

  昨年末にメキシコで開かれたCOP16では、京都議定書に参加していない中国や米国、インドなど新興国も自主的な削減策を示すことで合意しましたが、これを京都議定書に代わる新たな法的枠組みにするには時間がかかることから、排出削減義務のない途上国は空白を生じさせないために同議定書の延長を求めています。

  これに対し日本は「京都議定書が延長されれば、最大の排出国である中国と米国が参加せず、先進国のみが削減義務を負う体制が固定化する」として反対の立場を表明してきた経緯があります。

  今回の作業部会では、議定書延長問題をCOP17で決着させるための交渉日程を詰めました。フィゲレス事務局長は「年末に政治的な解決策を得ることを各国は望んでいる」として、第2約束期間が設けられる公算が大きいという見方を示したとのこと。

 (朝日新聞

 事務局長はメキシコの合意について3月に、開発途上国による気候変動対策を支援するために、最も包括的な措置であるとともに、地球の気温上昇を産業革命以前との比較で摂氏2度未満に抑えるための長期的合意でもあると述べていますが、いっぽうで、これまでの各国の排出削減約束を合計しても、気温上昇を2度未満に抑えるため、2020年までに必要とする60%にしかすぎず、合意された気温上昇目標の達成を不可能としないためには、2015年までに排出量を頭打ちにする必要があるとの警告も発しています。京都議定書の延長が果たして、途上国支援と排出削減の目標達成に有効なのか、合意のための合意なのかは、意見の分かれるところだと思います。

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このページは、green plusが2011年4月 7日 18:23に書いたブログ記事です。

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