世界自然保護基金(WWF)ジャパンは25日、グローバル・フットプリント・ネットワークと共同で、日本が地球環境にかけている負荷を示した「エコロジカル・フットプリント」を初めて報告しました。報告書によると、世界中の人々が現代日本人のような消費生活を行う場合、地球が2.3個分必要になるといいます。
日本のエコロジカル・フットプリントは、2006年に一人当たり4.1gha(グローバル・ヘクタール)となり、世界平均である2.6ghaの約1.5倍となりました。ghaとは、資源を生産し、廃棄物を吸収する能力の世界平均値を有する理想上の地域面積1ヘクタール単位です。
地球1個分が持つ資源の生産力・廃棄物の吸収力を全世界人口で割ると、一人当りが保持できるのは1.8ghaとなり、日本のエコロジカル・フットプリント4.1ghaをまかなうには地球が2.3個必要となる計算になります。
WWFジャパンによると、日本のエコロジカル・フットプリントが高い理由には、その65%がカーボン・フットプリントで占められていることが挙げられるといいます。
カーボン・フットプリントとは、自然な状態でCO2を吸収する土地が国内にどのくらいあるかを示すものですが、日本は高度経済成長期に化石燃料に頼る消費社会となったことなどから、1961年に比べ、1990年代後半にカーボン・フットプリントが13倍に増大したといいます。また、日本が輸入資源に頼っていることも、エコロジカル・フットプリントを高めている要因だといいます。
WWFはこの報告書の結果を踏まえ、政府に対し、日本の環境政策にエコロジカル・フットプリントの数値目標を導入することや、10月に愛知県名古屋市で行われる生物多様性条約第10回締約国会議の議題のひとつである「ポスト2010目標」の指標として、エコロジカル・フットプリントを盛り込むこと
を求める要望書を提出しました。
(WWFジャパン)
(IBTimes)