バイナリー地熱発電とは、地熱発電の一種で、熱源で沸点の低いアンモニア水などの液体を熱し、その蒸気でタービンを回し、発電するしくみです。熱源に温泉を使うものは温泉発電とも呼ばれています。
今回の実証研究は、電力会社などが共同で設立し、地熱エネルギーの技術開発を手がける地熱技術開発(株)と(独)産業技術総合研究所が、環境省からの委託で行うもので、100℃以下の既存温泉による発電の試みとしては、全国初とのこと。
期間は今年度から3年間で、今年度中に装置の開発・調査を行い、来年度からは装置を設置しての実証実験に入るんだとか。
新潟県では、全国で3番目に多い温泉資源を活用した、出力1000キロワット以下の小規模バイナリー地熱発電設備の導入可能性について調査し、導入モデルを検討する「バイナリー地熱発電導入可能性調査検討委員会」を、昨年7月に設置し、4回にわたって検討を進めてきましたが、今回の実証研究はその成果の一つです。
産業技術総合研究所によると、温泉発電の資源量は833万キロワットもあるといわれていますが、ほとんど使われていない状態です。
2月10日の記事「静岡県が温泉発電の事業化に向けた調査研究へ」のような動きは少しずつ出て着ていますが、ぜひもっと多くの温泉地で検討を進めてほしいと思います。