川崎スチームネットは1日、営業を開始し、今後15年以上にわたり、最新鋭のコンバインドサイクル発電(MACC)を採用した東京電力川崎火力発電所1号系列の蒸気、年間約30万トンを、川崎市千鳥・夜光地区コンビナート内の10社に供給すると発表しました。
同社はコンビナート内の各社と火力発電所を連係する配管の敷設・維持管理や蒸気供給による省エネ事業を目的として、2006年10月に東京電力、日本触媒、旭化成ケミカルズが設立。これまで準備を進めてきたそうです。
営業開始にともない、従来に比べて合計で年間約1.1万キロリットルの燃料、年間約2.5万トンのCO2排出量を削減できる見込みとのこと。
これは一般家庭約9500世帯分の年間エネルギー消費量と、約4700世帯分の年間CO2排出量に相当するんだとか。
最新のコンバインドサイクル発電は、燃焼温度が1500度と高く、熱効率が60%弱にもなるため、それだけでも従来より3割近くものCO2排出量を削減できますが、そこから発電後に排出される蒸気も再利用すれば、今回のように地域一帯で燃料を削減できるんですね。
ここ数年で設備更新期を迎える火力発電は相当ありますが、それらがどんどん今回と同様のMACCや、さらに熱効率が高いMACC2に更新され、排出される蒸気も有効に活用されれば、相当なCO2削減につながりそうです。