東京工業大の玉浦裕教授らのチームが、国内有数の日照時間を確保できる山梨県北杜市に、ビームダウン式集光太陽熱発電の実験プラントの建設を進めているそうです。
ビームダウン式集光太陽熱発電は、広大な用地に敷き詰めた反射鏡で、中央のタワーの先端に太陽光を集め、地面に設置した炉に再反射。溶融塩という蓄熱できる液体を500-1000度に熱し、タービンを回して発電するしくみ。
今回のプラントは太陽を追尾できるため効率が高いほか、蓄熱した溶融塩により曇りや夜間でも発電できるとのこと。最大出力は300キロワットで、将来的には100倍の出力を目指すんだとか。
アラブ首長国連邦のアブダビでコスモ石油と進めていた実験により、実用化が期待できる出力が得られる見通しが立ったため、国内でのプラント建設に踏み出したようです。国内での太陽熱発電の計画は、約30年ぶりとのこと。
日本では砂漠のような、日射量が多い広大な土地が少ないため、太陽光でも太陽熱でも、大規模な発電所の建設には向いていませんが、それでも火力発電の2倍程度の発電コストを実現する見通しはあるようです。なので、今後化石燃料が高くなれば、十分競争できそうですね。続報が楽しみです。