21世紀の熱帯低気圧、頻度は減るが勢力は強まる

 地球温暖化の影響で21世紀は熱帯低気圧の発生頻度は減る一方、降雨量や風力はより強まるとした研究結果が21日、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版で発表されました。
 熱帯低気圧はアジアではタイフーン(台風)、北中米ではハリケーンとして知られ、海水が暖められることによって起こります。そこで疑問になってくるのが、地球温暖化による気温上昇が、どのように熱帯低気圧の発生に影響してくるかということです。

  この疑問の解明に取り組んだのが、世界気象機関(WMO)のトム・ナットソン)氏らによる研究チームです。 研究チームは、地球温暖化の問題が大きくとりあげられるようになった4年前から現在までの気象専門家による調査結果を検証しました。温暖化の指標となるのは、21世紀の平均地球表面温度の上昇を2.8度と予測する「A1B」シナリオと名づけられたコンピューター・シミュレーション結果です。

 その結果、熱帯低気圧の発生頻度は減少するか現状と同じ程度とみられますが、風力は現在よりも2~11%強まり、台風やハリケーンの中心100キロメート ル以内では、降雨量も20%増となる可能性があることが分かったそうです。さらに、大きな被害をもたらす熱帯低気圧の発生頻度が急増する地域もあるといいます。(AFPBB News)


 21世紀気候変動予測革新プログラム(2009年)では海水温が2℃程度上昇した海域やエルニーニョ等によって短期的に海水温が上昇した海域でスーパー・タイフーンクラス(日本の基準でいう風速67m/s以上)の台風の発生が予測されています。

 温暖化すると台風の数が減り、強い台風が増えることによって、渇水リスクの増大、大雨・強風被害の増大をもたらしてしまいます。これまで台風の豪雨がなかった地域に豪雨をもたらすなど、被害は計り知れません。

(Nature Geoscience)

(21世紀気候変動予測革新プログラム)


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このページは、green plusが2010年2月26日 13:08に書いたブログ記事です。

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