群馬県と群馬大が家畜のふんを用いた「低温ガス化システム」の試験へ

 群馬県と群馬大工学部で汚泥などのガス化研究する宝田恭之教授らは、家畜のふんを発酵させずにガスを取り出す「低温ガス化システム」という新しい手法を用いたバイオガス発電の試験を、3月に行う予定だそうです。

 通常、家畜のふんを利用したバイオマス発電は、ふんを発酵させて取り出したメタンガスを使って電気を作るシステムが主流です。しかし、低温ガス化システムでは、ふんを発酵させず炉に入れ、蒸気で熱を加え水素やメタンガスなどを取り出すとのこと。残ったふんの残がいにはさらに熱と触媒を加え、分解後に灰分として処理し、分解の際に発生する熱は、ガスを取り出す際の熱に還元。ガスは精製して発電に用い、その過程で発生する熱は温室でも利用することを想定しているんだとか。

 通常のガス化に比べ低温ですむため効率が良いこと、低温のガスは高温のガスに比べ2倍以上のエネルギーを持っていること、さらに、発酵には数カ月かかるところを数秒ですむこと、そしてコストも非常に安いことなど、メリットが多く、代替エネルギーとして期待されているそうです。
 群馬県は全国有数の畜産県で、県全体で出る家畜のふんは、年間約320万トンに上るらしいのですが、そのうち約95万トンは再利用されずに捨てられているとのこと。
 しかし、試算では畜産業が集中する前橋市宮城地区では、家畜ふん尿の潜在エネルギーは石油換算1万2337トンで、同地区全体のエネルギー消費量同1万2741トンをほぼ賄える計算となるらしいです。
 これほど有効な資源を捨ててしまっていたなんてとてももったいないですね。ぜひ国や他の自治体でも、このような有望なバイマスエネルギーの実用化に重点的に取り組み、全国で捨てられてしまっている家畜のふんが貴重な資源として使えるようにしてほしいと思います。

 

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このページは、ミヤギコウシロウが2010年1月13日 23:50に書いたブログ記事です。

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