木材に期待 脱「化石燃料」へ

mokuzai.jpg CO2排出削減が叫ばれる中、燃料としての木材が注目を集めています。

 スウェーデンのバッテンフォールや独RWE、米エレクトリック・パワーなど電力会社は、一部の発電所で燃料として木材チップなどを使い始めました。木材は再生可能で石炭より割安だからなんだとか。

 これまでのところ、木材発電の増加が紙の価格や森林破壊に影響を与えることもないようです。
 独ノブス・エナジーもハンブルク北郊の発電所で、木材を燃料に発電、石油化学会社トタールSAに供給しているそうです。同社のハインリッヒ・ウンラントCEOは「燃料としての木材の重要性は急速に増している。数年以内には石油のように世界で取引される商品となるだろう」と話しています。

 IAEA(国際エネルギー機関)によると、バイオマス燃料による発電、発熱は20年間で25%増加しました。2006年に先進工業国が生産したエネルギーで、バイオマス燃料を使用した割合は4%。これは石油11億バレルで生産するエネルギーに相当するそうです。

 木材は光合成によるCO2の吸収量と、焼却によるCO2の排出量が同量だとされ、これを燃料にする場合に、電力会社は排出許可を取得する必要はありません。木材発電電力が供給されるトタールは今年、9400トン分の排出権購入の費用を削減することができたそうです。

 オバマ米大統領のエネルギー政策アドバイザーを務めるブラッケン・ヘンドリックス氏は「化石燃料からの脱却を進める上で、木材は非常に大きな役割を担うだろう。またクリーン・エネルギーへの移行に伴うダメージも和らげてくれる」と述べています。

 これまで使途がなかなか見つからなかった、間伐材、枝葉、樹皮など、こういったバイオマス燃料の利用が進めば、国内林業も再生の可能性が見えてきますね。

【ブルームバーグ】

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このページは、green plusが2009年6月 8日 16:04に書いたブログ記事です。

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