政府が試行したCO2排出枠を取引する国内排出量取引制度に参加申請した企業数が13日まとまった。
申請企業は501社で、日本経団連の自主行動計画に参加する経済産業省所管企業約2100社と比べても2割強にとどまった。
来年からの本格的な取引開始を前に、政府では「十分な数」としているが、「国内排出量取引制度は不明瞭」という企業側の疑念が浮き彫りになった。
12日までの募集期間に参加申請したのは、沖縄電力を除く9電力など、経団連の自主行動計画に参加する大手企業が中心で、同計画の削減目標に基づいて参加した。
うち削減目標を設定した企業や団体は446社で、目標設定はせず排出枠の仲介など取引への参加を申請したのは50社。残る5社は、大企業が中小企業などの省エネを支援する見返りに排出枠を得る「国内クレジット制度」で参加する。
業界団体の参加は原則認められていないが、政府は今後、特例として認めるかどうかの判断をする。
排出量取引は本来キャップ&トレードで政府が、各社の排出量の上限(キャップ)を定めた上、過不足分を売買(トレード)する制度。
政府は今回、キャップを定めず、各社の自主性に委ねるとともに、試行制度は本格導入の前提にしないことで理解を求めてきたが、原則では参加できない業界団体として、日本鉄鋼連盟と日本自動車工業会が業界団体としての参加表明。
先行きは、まだまだ多難にみえる。