
研究チームは、主要な生息域の一つである中国陝西省の秦嶺山脈で、パンダが餌にしている3種類のササについて気候変動の影響を調べました。「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の予測モデルと現地の気象条件から温暖化で笹の繁殖がどう変わるかを分析。
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その結果、今世紀末の世界の平均気温が産業革命前と比べ約4度上がる場合、ササは完全に消滅するか、半分以下に減るとのデータが出ました。
気温上昇が3度程度の場合は、ほかの地域がササに適した気候になり、ササが相当程度残る可能性もあります。しかし、そうした地域は今の分布域から離れており、実際に十分な広さのササの林ができてパンダの新たな生息地になるのは難しいとみられるといいます。
パンダは1日に38キロのササを食べます。それに対してササはおおむね数十年に一度しか花を咲かさず、環境の急変に対する適応が難しいといいます。研究チームは「代わりの食料が見つからなければ、この地域の生息地が消滅する恐れがある」としています。
今後の国際的な温暖化ガス排出削減の取り組みは、カタールでの第18回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP18)で協議中。世界銀行が11月発表した報告書によると、各国の今の自主的な削減目標のままでは、今世紀末の気温が4度上昇すると予測しており、目標の大幅な引き上げが急務と なっています。