シナリオでは、2050年までに
(1)世界全体および各部門でエネルギー需要をどこまで減らすことができるか
(2)その需要に見合ったエネルギーを、持続可能な形で供給することができるか
をそれぞれ順に検討したそうです。その際、重要なポイントとして、以下を考慮しました。
- 省エネルギー策の徹底により、世界のエネルギー需要を減らす
- 需要側の各部門(産業、建築物、運輸)で電化を進める
- 持続可能な再生可能エネルギー源でまかなう
- 電化が難しい部分(熱、燃料用途)は、その他の再生可能エネルギー源でまかなう(太陽熱等)
- バイオマスエネルギーは最後の手段とし、他の再生可能エネルギー源でどうしてもまかなえない部分に利用する
その結果、エネルギー需要については、2050年には2005年よりも15%削減が可能であることが示されました。これは、これまで発表されたどのシナリオ よりも野心的な数値です。
現在ある技術をベースに、その需要に対して、95%を再生可能エネルギーで供給することが可能であるという結果が得られました。 残りの5%は今後誕生する新たな技術にゆだねていますが、化石燃料や原子力、旧来型バイオマス(薪炭材など)は、太陽光・風力・地熱・水力・バイオマスと いった多様な再生可能エネルギー源を組み合わせることによって、ほぼ完全に代替することができるとしています。
これによれば、世界のエネルギー由来のCO2の排出量は、2050年に80%以上削減されるという結果になりました。
これまで既存シナリオでは、2050年までに1990年比で、50%?60%のCO2削減を行うには、2030年頃に革新的な技術が導入される前提でストーリー化していたと思います。単純計算できませんが、エネルギー需要を2005年比で15%を削減できるということ、既存技術で95%の需要を賄えるということ、これは日本などの技術先進国が大きく貢献して、またリードしていけば達成可能かもしれないと考えさせられました。
(WWF)
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