アサヒビールと農研機構九州沖縄農業研究センターは13日、生産力が飛躍的に向上した「高バイオマス量サトウキビ」新品種を用いて、砂糖生産量を確保しつつ、低コストで大量のエタノールを生産可能な技術を開発し、伊江島の実験プラントで実証したと発表しました。
アサヒビールの持つ発酵・エタノール抽出技術と、農研機構九州沖縄農業研究センターの持つ高バイオマス量サトウキビ品種育成技術とを組み合わせ、従来の製糖用品種と比べて、単位面積当たりの収量が1.5倍、全糖収量が1.3倍、繊維量が1.8倍となる新しい高バイオマス量サトウキビ品種を育成。沖縄県伊江村の実験設備で、この新品種により、従来の砂糖生産量を維持したまま、耕作地面積あたり5倍以上のバイオエタノール生産性が見込めるシステムを開発したそうです。
これにより、設備費やランニングコストを削減できるほか、増産した絞りかす(バガス)を燃料として使うことで、製造にかかるすべてのエネルギーをまかない、カーボンニュートラルを実現。
今後検証を実施し、実用レベルにまで技術を高めていくことを検討しているとのこと。
砂糖生産量は確保しているため、食料と競合しないという点もさることながら、副産物のバガスを燃料として使うことで、製造にかかるエネルギーをまかなえるというのは画期的だと思います。