一方、青森県は県有地を貸し出すなどして県内の発電事業者数を増加させるとのこと。県は「青森は台風も少なく、風量も安定しており、風力発電に向いている。この利点を生かして経済や雇用の活性化につなげたい」と協定に期待を寄せているそうです。
現在、県内の192基の風車のうち185基が都心の事業者が所有しているため、「風力発電量は日本一だが、売買の利益は都心へ流れているのが現状」(県) だといいます。ですが、平成27年までに現在の年間28万キロワットから45万キロワットに発電量を増やす計画で、増加分はできる限り地元資本でまかなう方針だそうです。県には同じく地域経済の落ち込む他の地方自治体から、東京と締結した協定についての問い合わせが殺到しているといいます。隣県の秋田県も「協定参加も視野に検討したい」と興味を示しているとのこと。一方、民間ではすでに協定参加の検討を表明した企業も出ています。
CO2排出量の7割がオフィスビルなど業務部門という千代田区。その一等地に建つ「新丸の内ビル」を所有する三菱地所は21年12月、同ビルの電力を青森県六ケ所村の風力発電所から受電することを供給元の出光興産と合意。両社は同ビルを皮切りに協定参加の検討を表明しました。
出光側は「新丸の内ビルのCO2削減量は年間約2万トン。条例施行で都市と地方の自然エネルギー売買が活発化するはず。今後に向け協定を活用したい」と話しました。
都は「新丸の内ビルという知名度の高いビルの参加で他の事業者への波及効果は大きい」と期待しているそうで、自治体の一石二鳥を狙う試みは普及するのでしょうか。(MSN.産経ニュース)
都市の資本を地方へ、地方の自然エネルギーを都市へ、という循環型社会の理想の形への後ろ盾となるよう、この協定をモデルに地方自治体と企業のマッチングを推進していって欲しいと思います。
