東京ガスと埼玉県熊谷市は5日、太陽熱集熱器の余剰熱を隣接する建物に融通する日本で初めてのプロジェクトが、国土交通省のモデル事業に採択されたと発表しました。
このプロジェクトは、同市にある東京ガス熊谷支社屋上の太陽熱集熱器で得られる余剰太陽熱を、市道を挟んで隣接するホテル、マロウドイン熊谷に融通し、有効利用。あわせて、温水を運ぶためのポンプ動力には太陽光発電パネルからの電力を使用するとのこと。
これにより、両建物合計で年間約11トンの省CO2効果が期待されるんだとか。
熊谷支社では、屋上の太陽熱集熱器から得られる熱を、社内の冷暖房や給湯に利用していたのですが、事務所ビルなので給湯需要はあまり多くなく、また、空調需要の低い春や秋、日曜・祝日等には空調向けの温熱・冷熱需要も少なくなるため、太陽熱が余っていたそうです。
一方、熊谷支社と公道を挟んで隣接するマロウドイン熊谷では、年間を通じて安定的な熱需要があるため、使ってないときは温水を送って有効利用しようというわけですね。
温泉では余った温泉や、余った熱で作った温水を、地域一帯に供給しているので、今回のような太陽熱で作った温水も、温度によっては隣接するビルだけでなく、かなり広い範囲に融通することもできそうです。
それが可能な例がどれくらいあるのか、さっそく全国で調べてみてほしいですね。